おなかの中に小さな命が宿ってから、長いようで短かったマタニティライフがそろそろ終わりを迎えようとしています。約10ヵ月ものあいだ、大切に守ってきた赤ちゃん。ついに会える!と思っていたのに、予定日を過ぎてもなかなか出てきてくれない…。そんな場合はどうすればいいのでしょう?
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管理出産の必要性
出産は、正産期(妊娠37週0日〜妊娠41週6日)に入った赤ちゃんが、自分のタイミングで陣痛を起こして産まれてくることが望ましいとされています。でも、さまざまの理由で、自然には陣痛が起こらないこともあります。そんな場合に、医療の力を借りて出産のタイミングをコントロールすることを「管理出産」といいます。
正産期を超過するとどうなるの?
妊娠42週を過ぎると、母体や胎児へのリスクが高まってしまいます。リスクには主に以下のようなものがあります。
○赤ちゃんの低酸素・低栄養
妊娠40週を境に、胎盤の機能が低下しはじめます。このまま放っておくと赤ちゃんに十分な酸素や栄養を届けられなくなり、生命の危険にもかかわるため、管理出産が必要になります。
○赤ちゃんが産道を通るのが難しくなる
出産予定日を過ぎて赤ちゃんが大きくなりすぎると、ママの産道をスムーズに通れなくなってしまいます。出生時の体重が4,000グラム以上の赤ちゃんを「巨大児」といい、通常の大きさの赤ちゃんよりも管理出産に切り替えるパターンが多いです。
誘発分娩と帝王切開
誘発分娩で気をつけたいこと
誘発分娩とは、陣痛促進剤やバルーンを使用して陣痛を人工的に起こして赤ちゃんを産むことを指します。
○陣痛促進剤の副作用
陣痛促進剤は適切に使用すれば出産時間を短縮することができ、ママと赤ちゃんの体力低下を軽減してくれます。ただ、陣痛が強くなりすぎる(過強陣痛)などの副作用のリスクがあるのも事実です。陣痛促進剤の使用に限らず、管理出産についての詳しい説明や手順、スタッフの管理体制などをきちんと説明してくれる産院を選ぶことがリスク回避につながります。
帝王切開で気をつけたいこと
初産年齢が上がっていることもあり、はじめから帝王切開での出産を選ぶママも増えてきました。そうではなく、本当は自然出産がしたいのに、やむを得ず緊急帝王切開になってしまうママもいるでしょう。昔は帝王切開なんて…という風潮が強くありましたが、現在は医療の進歩で手術の安全性は高くなっています。
○術後の入院中はムリをせず、でもなるべく身体を動かす
帝王切開はお産とはいえ、手術です。術後は傷の痛みがつらいこともあると思います。しかし、入院中ずっとベッドに寝たきりのままでいると、重篤な合併症を引きおこすリスクが高まってしまいます。ママの体調にもよりますが、医師と相談のうえ、なるべく立って動くようにしましょう。
○いちど帝王切開をしたら、もう自然分娩はできない?
帝王切開を経験したら、子宮破裂などのリスク回避のため次も帝王切開という場合が多いようです。しかし産院によっては、帝王切開後に自然分娩をおこなうVBAC(ブイバック)に対応してくれるところもあります。よく医師の説明を聞いたうえで、どうするか決めてくださいね。
おわりに
ひとりひとり個性があるように、出産も千差万別です。出産のかたちはどうであれ、赤ちゃんは自分の意思を持って、ママに会いに来てくれるはずですよ。
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